2区の小林はレベルの高い練習で区間賞候補に

2区の小林はNTT西日本所属だった2年前に、3区の区間賞を取っている選手。塩尻和也(29、富士通)と相澤晃(28、旭化成)の10000m新旧日本記録保持者、伊藤達彦(27、Honda)と田澤廉(25、トヨタ自動車)も含め10000m代表経験選手4人を小林が上回った。区間2位の田村和希(30、住友電工)に29秒もの差をつけた。

その小林が4月に加入しSUBARUのチーム力が大きく向上した。小林は11月3日の東日本実業団駅伝は1区で区間3位、同22日の八王子ロングディスタンス10000mは27分36秒00と、自己記録に約8秒と迫った。「八王子の後はすぐに練習ができるように、感覚では余力を残して走りました」

奥谷監督の評価はさらに高い。「八王子の前からえぐい練習をやっていました。やりすぎじゃない? というくらいの負荷で。小林の強みは単独走になっても、もがきながら押し切れるところ。風が吹けば区間新もあります。駒大の後輩(鈴木芽吹・23、トヨタ自動車)にも勝って、先輩の力を示して欲しい」

小林は今年の10月くらいから練習を、スピード持久力の部分を強く意識した内容に戻したという。「区間賞を取った後、スピードをもっと出さないと、と考えて1000m×何本のスピードを上げるような練習をしました。しかしその練習で結果を出せませんでした。今は1000m何本というときより10秒以上遅くしていますが、そのペースで14000mなどを走り切ります。2年前はその練習でも3区のスピードに対応できました。今は2年前と同じくらいの走りの感覚になっています」

2年前の3区は23位でタスキを受け、16人抜きを見せた中での区間賞だった。今回は1区の三浦から、上位でタスキを受け取る確率が高い。先頭集団でのレースになる。

「集団を引っ張る展開になっても、横に誰かがいる状態で走っても、空気抵抗や集団効果で少し楽になる。タイムを削れる要因なのでプラスに考えています。(牽制し合う状態になれば)自分で行きます」

前回の2区では今江勇人(27、GMOインターネットグループ)が、牽制状態を避けるために前に出て引っ張った。今年の東日本実業団駅伝1区、八王子ロングディスタンスと今江と小林は同じレースで好成績を残してきた。今回の2区がスローな展開になることはない。