2026年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 in ぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。前回5位のSUBARUの戦力が充実している。

東京2025世界陸上3000m障害8位入賞の三浦龍司(23)が2年連続の1区。移籍加入した小林歩(27)は2年前の3区区間賞選手で、今回は2区の区間賞も期待できる。3区の清水歓太(29)はSUBARUのエースを何年も担ってきた選手。小林の加入で前回3区の山本唯翔(24)を、得意とする上りのある5区に起用できた。7区の並木寧音(24)は前回も同区間で区間4位だった。3位以内が目標だが、「優勝争いをしないと3位には入れない」と、奥谷亘監督(50)は頂点への挑戦も視野に入れている。

◇ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁~高崎市役所
2区 21.9km 高崎市役所~伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所~三菱電機群馬工場
4区 7.6km 三菱電機群馬工場~太田市役所
5区 15.9km 太田市役所~桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所~伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町~群馬県庁

“世界の三浦”が“SUBARUの三浦”として参戦

三浦龍司の世界陸上の戦いは多くの人たちに感動を与えたが、本人の心にも強く残るものがあった。

「結果として見れば悔しい結果でした。メダルを狙った大会で、もう少し頑張れたかな、というところもあります。しかし東京で開催された世界陸上で、(世界大会初出場で入賞した)東京五輪から4年後の成長を確認できました。レース内容としてもラストの、世界一を決めるふるい落としに食い下がる走りができた。世界の壁も感じてきましたが、そことの差もだんだん縮めることができている実感がありました。質が高く濃い内容のレースを日本で経験できたことは、すごく大きな思い出になったと思います」

満員の国立競技場で浴びた声援は、これまで経験してきたどの大会とも違っていたという。レース後の取材を一通り終え、曽波祐我マネージャーの顔を見たときには涙があふれ出た。洛南高、順大を通しての先輩で、三浦の側でつねにサポートをしてきた人物だ。

「メダルがつかめそうなレースだったこと、東京で行われて大きなチャンスだったこと、あれだけ多くの皆さんが期待してくれたこと。メダルを取りたかった思いが一気にあふれ出てきた瞬間でした」

日本のスポーツ界に大きな足跡を残した“世界の三浦”が、次は“SUBARUの三浦”としてニューイヤー駅伝を走る。入社1年目の前回は1区で区間3位。長嶋幸宝(21、旭化成)のロングスパートに2秒差をつけられたが、今回も同じ1区を任された。

「ペースが速くなるところもあり、注意しないといけません。中継所前最後のカーブも、コースを反対車線にとって走って行きますが、道路が広いのでコース取りも上手くやる必要があります。ペース配分や展開は注意しないといけませんが、ラスト2~3kmのところにしっかり備えることができれば、区間賞も見えてきます。最後はキツくなりますが、そういったことも踏まえて、経験を生かした走りをしたい」

2区以降も強力なメンバーになった。1区の三浦が前回くらいのタイム差でタスキを持ってくれば、SUBARUは優勝争いに加わることができる。