芸能事務所代表として “芸人たちの出口” を作る

平良さんはこのプロジェクトに、「親心」を込めたもう一つの仕掛けを作っている。

芸能事務所「サンミュージック沖縄」の代表も務める平良さん。2025年1月の代表就任から、まもなく1年。タレントや芸人を預かる立場になって実感したのは「場数の少なさ」だった。

所属タレントたちは、話す、場を盛り上げる才能があっても、沖縄には彼らが輝ける「出口」がまだまだ少ない。

ならば、自分で作ってしまえばいい。新しい体験施設には赤瓦の古民家を模したセットを組み、ステージを作る。

芸人の「出口を作りたい」と語る平良さん

タレントたちはそこでマイクを握り、沖縄そばの歴史を面白おかしく語りかける。生地を足で踏む工程では、三線の音色に乗せてカチャーシー(喜びの舞)を踊らせる。料理体験施設の枠を超えた、ライブショーを作り上げるのだ。

朝10時から夕方6時まで、1日5~6回の公演。これなら、夜の営業には出にくい子育て中のタレントだって、才能を発揮できる。芸人が「麺」を通じて、物理的にも精神的にも「食って」いける未来を、本気で作ろうとしている。