職場復帰の判断は簡単ではなかった。言語機能の回復という医学的な側面だけでなく、心理的な準備も必要だった。
松田真梨子さん(言語聴覚士):
「毎日欠かさず言語訓練に励んでも、この努力は報われるのかとか、表舞台に戻ることができるかとか、そういった恐怖もあったと思います。絶対に良くなりたいという気持ちと、治らないかもしれないという不安、葛藤の中で、本人の気持ちがないと、言語は70%に80%に回復しても、復帰できない」
「待っててくれてる」
転機となったのは、リスナーからの声だった。
回復の過程で理解力が向上するにつれ、長年狩俣さんの番組を聴いていたリスナーたちの「復帰を待ちわびる声」が、本人に届くようになった。
長年チームを組んでいる番組ディレクターや相棒のパーソナリティーも、狩俣さんに寄り添い続けた。休職中も交流を続け、「言葉が完璧でなくても伝えられるメッセージ、狩俣さんにしか伝えられないメッセージがある」と励まし続けた。
そして2025年1月、狩俣さんは週1回の放送から段階的に職場復帰を果たす。3月には自身の経験を語るコーナー『倫くんの大冒険』もスタートさせた。














