なんとか生きてくれた長女 しかし放射線の影響が…
恒子さんに、大きなけがはありませんでした。しかし放射線の影響か、高熱や嘔吐、下痢に苦しめられていました。何か少しでも食べさせようと、重湯を少しずつスプーンで口に注いでいきましたが、飲み込むことはできませんでした。恒子さんは、うわごとを言うようになり、「家に帰りたい」と繰り返していたといいます。
しげ子さんは、借りてきた大八車に恒子さんを乗せ、自宅へ連れて帰ることにしました。「苦しい、苦しい」という娘を、「もう少しだから我慢してね」となだめながら家路を急ぎました。しげ子さんは数日間、ほとんど寝ていなかったため、倒れそうになりながら、疲れた足を引きずり自宅を目指しました。














