過去38年の検証でも「一括」に軍配

さらに、過去38年間のデータも遡って検証してみた。

<1988年~2025年の実績>
▼一括投資の勝率
【TOPIX】58%(22年間)【S&P500】74%(28年間)【全世界株式】66%(25年間)
▼平均購入単価は一括購入の方が安い
【TOPIX】2.5%安【S&P500】6.2%安【全世界株式】5.1%安

『ニッセイ基礎研究所』井出真吾さん:
「積立投資よりも1月一括投資の方が安く買えた・リターンが高かったという“勝率”でみると、S&P500や全世界株式で7割ぐらい。購入単価も一括の方が5~6%安く買えた。TOPIXはちょっと勝率が下がって単価の割安さも若干薄れるが、日本株は38年間にバブル崩壊の時期を含んでいる。株価が下がっていく時は積立投資の方が有利なので、日本株はちょっと分が悪い。ただ日本株もバブルの清算は終えたから、今後はS&P500、全世界株式と近い状態をイメージしておけばいいと思う」

――そうなると、26年は一括なのではと思ってしまう

井出さん:
「ただ、1月一括はなかなか精神的な負担は大きい。年が明けてAI関連銘柄に大きめの下落局面なんていうのも来るかもしれないし、高市政権も今のところ順調だけど議員定数削減で維新との連立に亀裂が入るかもしれない。もしくは解散総選挙に打って出て負けたら、高市さんの責任論みたいなこともあり得る。そういうリスクを諸々考えると、“26年も年前半ぐらいにある程度分散した方がいい”のかなという気はする。少なくとも精神衛生上はその方がいい」

また、年前半の投資では「インフレ効果」も期待できるという。

井出さん:
「26年も恐らくインフレは続く。インフレだと企業の売上高や利益がその分増えるので、株価は上がりやすい。そう考えると、年間12ヶ月に分けて投資するよりは年前半ぐらいに投資しておいた方が、“インフレ効果を取り入れる効果”はあるのではないかと思う」