2026年の株価はどうなる?投資戦略として勝率がいいのは「1月一括」か「毎月積み立て」か?投資のプロに聞いてみた。

2026年は「“AIの牽引力”スローダウン」

「26年末の日経平均は5万3000~4000円をイメージしている」

こう話すのは、『ニッセイ基礎研究所』の井出真吾さんだ。その根拠はー

「2024年末(約4万円)⇒25年末(5万円前後)と、1年で25%はなかなかない上昇率。簡単に言うとAIが牽引したということだけど、“AIの牽引力は26年はさすがにスローダウンする”と思う。AIの代わりになるスタープレーヤーがいるかというと、軍事関連やウクライナの復興関連とか想定できるものはあるが、いずれも25年のAIみたいに力強く相場を引っ張っていくことにはならなさそう」

結果的に、26年の上昇率は「巡航速度」だという。

井出さん:
「有名なフランスの経済学者トマ・ピケティは、株のリターンは大体年率6~8%だと言っている。僕もそのぐらいだと思う。なので25年末が5万円だとして、そこから6%上がると5万3000円。8%上がると5万4000円。そのあたりが今の時点ではターゲットになってくるのかなという感じ」

株価5万円は「バブルというほどではない」

足元の5万円前後という水準はどう見ればいいのか?

『ニッセイ基礎研究所』井出真吾さん:
「中間決算が終わった段階で、2026年度は純利益ベースで11.7%増が見込まれている。市場ではそれよりちょっと上ぐらいを既に織り込んでいるということ。そうは言ってもちょっと高すぎでは?と思うかもしれないが、バブルっていうほどでもない」

25年の「TOPIX」の値動きを見てみる。
井出さんによると、「26年度の12~13%増益」を前提とした場合、TOPIXの“高過ぎず安過ぎず”の標準レンジは3000~3500ポイントぐらい。

井出さん:
「25年7月下旬ぐらい、関税合意辺りからガンガン上がってきているが、12月で3400ポイントぐらいでまだ標準レンジの中。企業の業績に対して株価が何倍になっているかという指標のPER(※標準は14~16倍)でいうと、15.4倍辺りで少し上値余地もある感じ。もちろん26年度の12~13%の増益が本物かどうかのリスクは残っているが、それを前提にすれば別に高すぎることはない」