「お年賀」は「お年玉」だった?

――歴史学からみた「お年玉」の説明を聞くと「お年賀(新年の挨拶に贈る品)」と似ているように感じましたが、関連はあるのでしょうか?

「本来、大人同士の贈り物であった『お年玉』が、近代以降に目下の者や子どもにお金をあげる習慣として定着するにつれて、元々の習慣が『お年賀』として呼ばれ、区別されるようになったという見方をしています」

「要するに、今の『お年玉』に言葉の使い方を奪われちゃったようなイメージですね」

言葉は変わったとしても、「お年玉」も「お年賀」も、新年のあいさつを、手渡しできる形で伝えたいという日本人の気持ちは、室町時代あたりの700年前から変わらないようです。

変わる?変わらない?お年玉

歴史の中で、様々な要素が絡み合って作り出された現代のお年玉文化。

最近では「お年玉はキャッシュレスで」という人も増え、「今後はキャッシュレスが主流になるのでは」と、下川教授は語ります。

物からお金へ、大人同士から子どもへ。そして現金からデータのやり取りへ。これから先の時代、お年玉はどんな変化を遂げていくのでしょうか?

自分もその歴史の1ページであることに思いをはせながら、まだ現金派の筆者はそろそろ「ポチ袋」を買いに行こうと思います。