80年慙愧の念に堪えず

家を捨てて、海軍軍人としてお国のために尽くすというより、家族のために自分がそれをやらないといかん、その気持ちだけで出て行った自分が、生きて帰ってきた、慙愧の念に堪えない。それから80年間慙愧の念に堪えず、私は生き残ってきたんですよ。いまもそう。亡くなった連中が私の代わりにみな行ってくれた。

「千よ、お前残ってな、お前のお茶で、武は負けたけど文でやれ、文で勝て。文武両道の中で武は負けた。確かに負けた。でも文は負けていない。アメリカにはこんな伝統文化がない。千よ、伝統文化で勝てよ、伝統文化でアメリカをびっくりさせろよ」という、みんなの声が聞こえますよ。

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元特攻隊員・千玄室さん「今を大事に。今があってこそ明日がある」「情けない日本にならないで」戦後80年を生きる日本人へ最後のメッセージ【単独インタビュー全文記事③】

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「おかあさーん」戦友の叫び声が耳の奥に残っている― “お茶の家”に生まれ特攻隊員になった千玄室さん 戦後80年を生きる日本人へ最後のメッセージ【単独インタビュー全文記事①】