台湾の台北駅の出口近くなどで、男が刃物で複数の人を切りつけ、これまでに3人が死亡しました。男はその後、近くの百貨店の屋上から飛び降り、死亡しました。

台湾有数のショッピング街・中山。日本人観光客も訪れる“人気の繁華街”が突如、パニックに包まれました。

台湾メディアによりますと、事件が起きたのは、日本時間の19日午後6時ごろ。台湾最大のターミナル駅、台北駅の出口で男が発煙弾を投げ、その後、男性が刃物で切りつけられました。

駅の構内で撮影されたとみられる映像。黒い服に身を包み、ガスマスクを装着した1人の男。手にしていた発煙弾のようなものを、周辺に向かって投げつけます。白い煙が広がり、瞬く間に充満。構内は一時、騒然となりました。

その後、男は隣の中山駅方面に逃走。近くの繁華街で、再び発煙弾を使用しました。

付近で撮影されたとみられる映像には、手に刃物のようなものも持ち、近くにいた人たちを、次々と切りつける様子も。男がそのまま建物の中に入っていくと、あたりは悲鳴に包まれ、現場はパニック状態に。逃げ惑う人々の様子も撮影されていました。

「発煙弾の臭いがして、その後お客さんが店に駆け込んできた。容疑者は全身黒い服で、刃物に見えるものを2本持っていたそうだ」

近くの百貨店へ入った男は、駆けつけた警察官に取り囲まれると、屋上から飛び降り、その後、死亡が確認されました。

報告
「容疑者は地下鉄の入り口から出てきて、犯行を続けたとみられています」

「スタッフから聞いたが、容疑者が後ろから入り込んで地下1階から人を切りつけ始め、4階も被害者がいたみたい」

事件を起こしたのは張文容疑者、27歳。別の事案で、今年7月に指名手配されていました。張容疑者は以前、空軍に所属していましたが、2022年、飲酒運転を理由に除隊処分に。

また、発煙弾のほか、手製の爆発物も所持していたということです。この一連の事件で、容疑者以外にあわせて3人が死亡しました。

事件に遭遇した日本人は…

現場に居合わせた日本人
「エスカレーターでのぼっている途中、なんか変な煙臭いというか変なにおいがするなと思いながらのぼって、ちょうどのぼり終わりくらいのところで。そしたら、なんか騒がしいと思ったら、すごい地下鉄の方に人がみんな逃げてきたので、ただ事じゃないなということで、エスカレーターを逆走するような形で急いで逃げた。(Q.どういったにおいで、どういったものが見えた?)においは煙幕というか、その後、聞いたら爆竹か何かをやってたということなんで、本当に煙幕のような、花火のような感じのにおいですかね。爆竹とかそういう感じのにおい」

外務省によると、現時点で日本人の被害は確認されていないということです。