ニューヨークと成田を結ぶフライト時間の謎

年末年始、旅行などで飛行機を利用する人も多いと思いますが、行きと帰りでフライト時間の違いに大きな差があることに気がついた人も多いのではないでしょうか?成田発ニューヨーク着(東行き)だと飛行時間の目安は約12時間30分~13時間30分。一方、ニューヨーク発成田着(西行き)だと約13時間30分~14時間30分と最大で約2時間も差があるのです。実はこの飛行時間の差に「偏西風」が関係していたのです。

日本からニューヨークは追い風、ニューヨークから日本は向かい風で、約2時間の飛行時間の差が出ます。

気象予報士 森 朗氏:
偏西風の強いところを「ジェット気流」と言うのですが、冬のジェット気流は特に強くて、夏のジェット気流が時速100km~200kmだとすると、冬のジェット気流は200km~350kmになります。偏西風は西から東に向かって吹くので、日本からニューヨークに行く飛行機は追い風効果で飛行時間が短くなるのです。

夏のジェット気流は北の方を通りますが、冬のジェット気流は南の方を通ります。

8月17日の夏の風と12月17日の冬の風を比較してみると、冬の方が強い風が吹いていることが一目瞭然です。

上空9500mの風の様子。夏のジェット気流に比べて、冬のジェット気流の方が強いことがわかります。(画像提供:ウェザーマップ)

気象予報士 森 朗氏:
海外ではなく羽田と那覇の往復でも羽田から那覇は約3時間、那覇から羽田は約2時間10分と約50分の差があります。西へのフライトは向かい風との戦い。もし到着が少し遅れても「きょうは偏西風が頑張っているんだな」と空の機嫌を楽しんで下さい。