来年、2026年の干支は「午」です。
その干支を描いた飾り皿で人気を集める米子市の窯元では、この道60年の陶芸家による皿づくりが最盛期を迎えています。
「万事うま(馬)くいく」という願いを込めた飾り皿です。

米子市の「法勝寺焼皆生窯」。 
2026年の干支・馬を描いた飾り皿の制作が最盛期を迎えています。

法勝寺焼皆生窯 二代目 安藤釉三さん
「目ですね。目を入れるときが一番。生きるか死ぬかいうのは大仰な話ですけどもやはり目に生きてるか死んでるかの表情っていうのは目が一番」

真剣な表情で素焼き前の皿に向かうのは、2代目の安藤釉三さん、81歳です。

この道64年の安藤さんが「午」と向き合うのは今回で5回目。 
半世紀以上作り続ける中で、客の好みの変化も感じるといいます。

法勝寺焼皆生窯 二代目 安藤釉三さん
「優しくっていうリクエストもありますね。優しい馬、見て」

一筆一筆丁寧に彫り込まれていく馬の姿。

古くから「午」は「力強さ」や「前進」を象徴し、「万事うま(馬)くいく」などの意味を持つ縁起の良い干支で飾り皿としても人気とのこと。

法勝寺焼皆生窯 二代目 安藤釉三さん 
「動きのある干支もある、じっとしてるような干支もあるけども、やはり動物が主体ですから、全てに動きがあるっていうのが大事だと思います」

しかし、馬は筋肉の付き方や走る姿勢が複雑なため、その「躍動感」を表現するのが十二支の中でも特に難しいといいます。

法勝寺焼皆生窯 二代目 安藤釉三さん
「馬っていうのはどうしても躍動感を求められますので、全体でも足の形ですとか、これ今は顔ですけど顔も顔だけででも躍動感っていいますか、目とか鼻とかそういうもので表したい」

およそ1時間、削り作業の半分、粗堀りが終わりました。

このあと仕上げの削りをおこない、乾燥、素焼き、釉薬、本焼きと完成まではさらに10日以上かかります。

法勝寺焼皆生窯特有の 深い青緑色の釉薬がかかり、白く浮き上がった馬がいななき、今にも飛び出してきそうな迫力です。

1つ1つに安藤さんの技術と魂が乗った干支の飾り皿は、毎年全国から発注があるとのこと。飾り皿づくりは今月いっぱい続きます。