なぜ進まなかった?「政治とカネ」の問題

高柳キャスター:
成立したものもありますが、重要な課題の中では積み残したものも多くあります。

【積み残した重要課題】
▼議員定数削減
▼政治とカネ(企業・団体献金の規制強化)
▼“年収の壁”引き上げ

いわゆる「政治とカネ」(企業・団体献金の規制強化)についても、議員立法としては結論を持ち越しています。さらに「“年収の壁”引き上げ」に関しても、16日・17日で自民党と国民民主党の税制責任者が会談を行いましたが、結論は出なかったということです。

そして、日本維新の会が連立政権を組む際に掲げていた「議員定数削減法案」も結論は見送られ、審議入りすらしていない状況です。

これについて16日、両党の党首は会談後に並んで記者団の取材に応じました。

高市総理は「まずは衆議院選挙制度に関する協議会のもとで、国勢調査の結果を踏まえつつ、自民・維新が協力して確実に成案を得ることを目指す」と話しました。

日本維新の会・吉村代表は「審議すらされずに国会が終わってしまうことは非常に残念。僕は野党の皆さんにしっかり審議してもらいたい」と発言しています。

さらに吉村代表は15日、審議入りされていない状況に「茶番劇です。自分たちの身分に関することになると結論を出さないんですから。そんな国会、本当にまっぴらごめん」と発言しています。

そもそも今国会、「まずは議員定数削減法案を成立させよう」と始まったわけですが、なぜ成立しなかったのでしょうか。

TBS報道局 岩田部長:
当初から「国会議員の定数」という各党が広く関わることについて、自民と維新が連立の合意の中に入れたからといって、「自民と維新だけで進めていいのか」という大きな疑問が、野党だけでなく自民党内にもたくさんありました。そうした中で、結局、時間切れとなったわけです。

そして今回もう一つ、「議員定数削減」が連立のテーマとして注目を集めましたが、元々「企業・団体献金の規制の強化をどうするのか」という話もくすぶっていて、本当はそれが大きなテーマだったはずが、それに関しても、今回の国会では結局成立しなかった。

ですので、「政治とカネ」の問題については、ほとんど前に進まないまま終わってしまったというような状況ですね。