天理大学vs京都産業大学 「チャレンジャーとして体を張ってくれた」
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続く第2試合に行われたのは、連覇を狙う天理大学と京都産業大学との優勝をかけた一戦。ともに6戦全勝、勝ち点差わずか1点で迎えた両チームの戦いは、序盤から激しく体をぶつけあう肉弾戦となります。
京都産業大学が縦に強いランナーと得意のスクラムでプレッシャーをかけて敵陣で試合を進めようとすると、天理大学は前に出る鋭いディフェンスとFW陣の素早い動きで対応。息詰まる攻防が続きます。
先制したのは天理大学。前半5分、ハイボールの競り合いに勝利して一気に敵陣深くまで攻め込むと、素早い球出しの連続から、最後はSH朝倉達弥選手がラックサイドを判断よく抜け出して中央にトライ。ゴールも決めて7点をリードします。
一方の京都産業大学も反撃。得意のスクラムでプレッシャーをかけて敵陣で相手ボールを奪い取ると、京産大らしい縦への連続攻撃を仕掛けて、じわりじわりと天理大を押し込んでいきます。
そして11分、FL平野龍選手が天理大ディフェンスにできた一瞬のスキをついて一気にトライラインにせまると、フォローしたNO8シオネ・ポルテレ選手が、追いすがる天理大の選手を引きずりながら中央にトライ、7対5と2点差に詰め寄りました。
中央から同点のコンバージョンゴールを狙う京産大SH高木城治選手。しかし、このキックを猛然とダッシュしてきた天理大学のWTB平松麟太郎選手がチャージ。同点は許しません。「高木選手がゴールを狙うときに、動き出してから時間がかかるという情報は入っていたので狙っていました」と話した平松選手。このプレーが天理大を勢いづけました。
直後の14分、京産大の不用意な反則で敵陣深くまで攻め込むと、このチャンスにラインアウトからモールをうまくポイントをずらしながら巧みに押し込んでいきます。そしてFLアリスター・サウララ選手が左中間にトライ。21分にもトライを加えた天理大、SO上ノ坊駿介選手が確実にゴールも決めて、21対5と大きくリードを奪いしました。
天理大の勢いに完全に受け身に回ってしまった京産大。それでも、この後は自信をもつスクラムを軸に試合を立て直します。スクラムを押し込んだ後のチャンスから28分にPGで3点を返すと、35分過ぎからは、天理大を自陣深くに釘付けにして責め立てます。しかし、陣形を崩さず、一人一人が責任をもってしっかりと前に出続ける天理大のディフェンスをどうしても崩すことができません。前半は21対8、天理大の13点のリードで折り返しました。
サイドの変わった後半、どちらが試合の流れを引き寄せるのか、勝負の行方を左右する重要な局面でチャンスをものにしたのは天理大でした。後半開始わずか3分、京産大得意のスクラムを粉砕して敵陣深くまで攻め込むと、ラインアウトからのモールを一気に押し込んでHO猿渡翔眞選手が右中間にトライ。ゴールも決めて28対8。京産大の生命線を崩した上でしっかりと得点につなげた天理大学が完全に試合の流れをものにしました。
こうなると天理大の勢いは、止まりません。17分に再びスクラムで京産大の反則を誘ってトライに結びつけると、30分には、鮮やかなカウンター攻撃からサウララ選手のこの日3本目のトライで京産大を突き放しました。
最後は、キャプテン上ノ坊駿介選手の独走トライで全勝対決を締めくくった天理大学。47対15の大差で京都産業大学を下して連覇を達成。関西大学ラグビーAリーグ14度目の優勝を飾りました。
この結果、2位となった京都産業大学は、対抗戦5位の慶應義塾大学と大学選手権の3回戦で激突。天理大学は、対抗戦3位の早稲田大学とリーグ戦3位の関東学院大学の勝者と準々決勝で対戦します。
「選手権にむけては、われわれのこだわってきたことをしっかりとやり切ることが大切だと思っている。それが強いチーム」と語った京都産業大学・廣瀬佳司監督。
「今年はリーグ戦に参加させていただいただけで感謝の気持ちでいっぱいだった。選手たちが、最後までチャレンジャーとして、体を張ってくれたことが嬉しかった」と小松節夫監督が話すと、上ノ坊キャプテンが、「大学ラグビーは、関東の方が上と思われているが、関西のラグビーも負けてないぞというプライドもある。関西1位というプライドを持って関東相手にチャレンジしてきたい」と選手権への想いを口にした天理大学。
関西を代表する両チームが、いよいよ今週12月14日(日)から、大学日本一を目指して第62回全国大学ラグビー選手権大会に挑みます。














