「5分」で運命が分かれる

阿蘇広域消防本部は、この2件の人命救助について、3人とゴルフ場にそれぞれ感謝状を贈りました。

心肺停止状態から社会復帰まで至るケースは「極めて少ない」と語ります。

阿蘇広域消防本部の職員「心臓が止まってから血液が脳に行かなくなると、3〜5分で脳の細胞にダメージが残り、救命できても後遺症が残ることになります」

119番通報から消防の到着まで、平均時間は約10分。心肺停止した人の運命を分けるのは、第一発見者の行動です。

消防庁の統計では、2023年の心肺停止事案で、目撃者の市民に心肺蘇生されなかった場合の社会復帰率は3.4%。

一方で心肺蘇生された場合の社会復帰率は10%と、その可能性は2.9倍に上昇します。

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2組の共通点

帆足さんと後藤さんは旅館業(黒川温泉)を営んでいて、ゴルフ場の志賀支配人も、心肺蘇生法の講習を受けた経験がありました。

消防は「胸骨圧迫やAEDの使用は、誰もが学び、実践できる技術」と訴えます。

「その一歩が、家族や友人、地域の仲間の命を救うことにつながります」