「出産」か「対局」か… “マタハラの可能性”指摘も

将棋会館外観女流棋士のタイトル戦について定めた規定には、「妊娠している場合は、出産予定日を基準とした産前6週間から産後8週間までの期間と、番勝負の日程が一部でも重複する場合、対局者の変更を行う」と、書かれています。

女流棋士のタイトル戦は8つ。1年を通して、休みなく対局が組まれています。

6つのタイトルを持つ福間さんの場合、今回の規程では、例えば4月上旬から7月半ばまでが産前6週・産後8週の期間だとすると、3つのタイトル戦に参加できなくなってしまうのです。

福間香奈さん
「“対局”か“妊娠”するか、どちらか選択しないといけないような状況」

夫 健太さん
「2人目をもしつくるとなると、(妻は)いま複数タイトルを持っているので、いくつかタイトルを失うことになる。それは妻は望んでいないので、これは難しいと2人で落胆した」

実は去年、妊娠中だった福間さんは、タイトル戦の時期に体調不良になりましたが、当時は規定が無く、特例として対局が「延期」となったり、スケジュール調整が難しく「不戦敗」となったりと対応が一貫しませんでした。

福間香奈さん
「(去年)妊娠・出産した際には日程変更していただいたり、ご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちと大変ありがたい気持ち。女流棋士である以上、対局できないことは何にも代えがたいものがある」

そのため、日本将棋連盟は新たなルールを整備。今年4月、その目的を「対局者の変更に関する基準を明確化することにより、公平かつ持続可能な対局環境を整えることを目的としております」と説明していました。

今回の規定で、タイトル戦に出られなくなった場合、翌年に何らかの救済措置があるといいますが、福間さんはあくまで「柔軟な日程変更をするべきだ」と話します。

女性の働き方に詳しい弁護士は、「今回の規定によりマタハラが引き起こされる可能性がある」と指摘します。

矢倉昌子 弁護士
「この規定があることによって、この期間にまったく試合に出場できない。本人の体調とか関係なしに画一的に出場できないことが、それにより本人が不利益を受ける可能性がある」