規定の変更 何がネックに?

小川彩佳キャスター:
【福間さんの日本将棋連盟への主な要望】
●産前産後に予定されているタイトル戦の日程変更可能に
●産前6週・産後8週の期間でも体調や医師の意見に応じ出場可能に
●対局者変更はやむを得ない場合、暫定王者制度を設ける
この訴えに対し、日本将棋連盟はどのように向き合っているのでしょうか。

MBS 阿部雄気記者:
まず、この新たな規定について尋ねると、連盟は私たちの取材に対し「当事者の安全性と公平性がより保たれ、不利益が生じない制度が求められる中、規定の明文化を目指し検討を進めている」と回答しました。
また、福間さんの要望書についての受け止めも尋ねましたが、「手元に届いていないので回答できない」としています。
小川キャスター:
この要望書は既に以前出しているわけですよね?
阿部記者:
同様の要望書は12月に出していますが、改めて9日に出したということです。内容はかぶるところもありますが、変わるところもあります。

藤森祥平キャスター:
福間さんは6つタイトルを持っており、8つのタイトル戦がある中で、例えば産前・産後の期間が少しでも被ってしまうと「もう出られませんよ」というルールです。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
本当に大変な過密日程の中、出られない試合が1個でもあるとそのタイトルを失ってしまう。彼女の場合は6冠なので、試合の日程が特に詰まっているということですよね。
私が聞いた話だと、将棋連盟の会長は女性になっているし、ルールを変えること自体はそんなに大変なことじゃない。今の私たちの働き方の感覚からすれば、現行のルールは時代的に遅れたものではないかと感じるのですが、ネックは何なのでしょうか?

阿部記者:
この8タイトルは、パズルを組み合わせるようにできています。1個だけを見ても、実は最大で7番勝負、7回戦まであるので開催場所は全国津々浦々、対局前日には検分があったりセレモニーのようなものがあったりする。スポンサー対応もある。
いろんな人が関わっている中で、それを簡単に日程変更できるかというと、1個変更すると他のもの変更しないといけなくなるので、それが崩れるのが連盟としては負担なのかなと思います。
斎藤幸平さん:
8個もいらないのでは?6冠なんだから、彼女が1つにボクシングのように団体統一して4つぐらいに絞ってはだめなのでしょうか。
阿部記者:
元々、女流将棋のタイトル数は少なかった。それが将棋を盛り上げるために増えてきたということです。
斎藤幸平さん:
それをリードしたい、大きくしたいという気持ちと、やっぱり子どもを育てたいという気持ちの中で、将棋連盟はお金を儲けているんだから彼女のためにもっと対応しなければいけないですよね。

小川キャスター:
スケジュールを理由にするのであれば、妊娠のタイミングで大体予定日がいつになるかは数か月前にわかるわけですから、前もってスケジュール変更可能なのではないかと思ってしまいます。

阿部記者:
まさにおっしゃる通りで、産前6週・産後8週の期間というのは1か月前にわかるわけではなくて、数か月前にはわかっているので、その時期に速やかに「この時期が産前6週・産後8週ですよ」と伝えることで、日程の変更は可能なのではないかというのは福間さんも訴えてました。
藤森祥平キャスター:
会見の後にルールは変わりそうですか。
阿部記者:
将棋連盟がどのような対応をするかというのは、先行きはまだ見えません。
小川キャスター:
本当の意味で女流将棋界を盛り上げていこうとするのであれば、こうしてキャリアか育児かの二者択一になっているこのルールのままでいいのかということに真摯に向き合っていただきたいです。
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<プロフィール>
阿部雄気
MBS記者
これまで大阪府警や大阪地検など担当
斎藤幸平
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書「人新世の『資本論』」














