「夢にも思っていなかった」全国の舞台で披露

保存会と学生が1つの輪になり、 およそ20分の踊りを演じ切りました。

田植踊りの後は、邪気を払う「神楽」とひょっとこが登場する「岡崎」も演じられました。 ひょっとこが、会場の笑いを誘います。大観衆が見つめる中、南津島の田植踊りは、 大きな拍手の中で幕を閉じました。

三瓶専次郎さん「最高の踊りを披露してくれました。震災のときは、我々どうにもなんないなというふうな考えでいたんです。実永さんが入ってくれて、それを機会に、学生さんとタイアップして、手をつないで3、4年目。3、4年目にこの舞台で踊れるなんていうことは夢にも思ってませんでした。それがきょう、この立派な踊りを見せてくれて、涙流して見ていました」

金子准教授「最高でした。本当に最高でした。いやもうステージに上がって学生た ちが踊っているのを見て、泣きそうになっちゃいました。ようやくきょうを迎えて、滞りなく全部終わったので、本当にきょうはよく眠れます」

今野充宏さん「ばっちり。おそらく、震災後一番のいい踊りと神楽と岡崎だったんじゃないですかね。私は、そんな感じがしました。一番良かったんじゃないですか」

ひょっとこを演じた三瓶友一さん「ウケてた?じゃあ、良かった。成功です。やっぱり120%でやったから。でも、もう少しお客さんを構いたかったな(笑)」

20年前の大会にも参加した紺野宏さん。 前回とは違う充実感を感じています。

紺野宏さん「いま終わってみて、しっかりとした演技を披露できたっていうのも、最 高だったよねと思います。(20年前と)立場が違うからさ。 20年前は芸子の一人だから。でも今回は太夫っていうみんなのまとめ役の部分があるので、緊張がちょっとだけ高かった」

保存会が担ってきた「鍬頭」を引き継いだ伹野さん。 最高の舞台をやり遂げ、感極まるものがありました。

伹野就斗​さん「この活動をやってきて、一番良かったなと思える日だなと。最高の舞台 だったなと自分では思っています。きょう、ここでできてよかったなと思っています。なかなかこれ以上の舞台って、今後あまりないのかなと思うので、きょう、緊張してこの舞台に上がれたので、次踊るときはそんなに緊張せずに上がれるのかなと思っているので、次の舞台はいまよりもいいものをお見せできるように精進していきたいと思います」

今野実永さん「楽しすぎて、もうずっと笑っていましたね。神楽とか特に。あんなにた くさん人が入っていると思わなかったから、小さい集落の芸能をこれだけたくさんの人に見てもらえるというのは、すごくうれしかった。津島の住民って46都道府県に散り散りになっているので、今回出るというのを友人づたいとか、そういうので聞いて、お越しいただいた、山梨の方もいらっしゃったりとか、東京で避難している方がいらっしゃったりとか、地元の人にも見てもらえたのもすごい嬉しかった」

学生とともにつないだ田植踊り。 全国の舞台を終えたいま、専次郎さんは、これまで踊りを担ってきた先達たちにも思いを馳せました。

三瓶専次郎さん「向こうに行った方々は、草葉の陰で見ているかもしれないけど、本当 に喜んで、見てくださるなというふうに思っています。我々もここまでやってきた。継承できた。そしてこれから先、どういうふうな形、どういうふうに進んでいくかまた、学生さんと我々で模索しながら、進む方向を考えていかなければというのはありますけど、きょうのここまでの道のりは、大変ではあったけど、頑張れば報われるんだなということがきょうはつくづく、感じました」