人生の決断、選んだ職業は

仙台市宮城野区にある仙台医療センター。裕菜さんは今、ここで働いています。人生の決断、それは看護師になることでした。国家試験に合格し、3年前から仙台医療センターで働いています。希望した職場は、救命救急センターです。

佐藤裕菜さん:
「救急センターだと意識のない患者さまも多いが、それでも声をかけて、きっと聞こえていると思うので、一つひとつ声かけをするように心がけて看護しています」

兄・翔樹くんは病院に運ばれることなく、その場で死亡が確認されました。救急搬送されてくる命を一つでも多く救いたいと裕菜さんは考えています。一方、医療現場で働くことで、兄の命を奪った事故がいかにむごいものだったか現実を知ることにもなりました。

佐藤裕菜さん:
「母に初めて遺体がどのような状態だったか書いている紙を見せてもらいました。看護師でなくてもそれを見て、あんなに幼い子がそんな殺され方をしなければいけないのか、ひどい状態だったことがやっと理解できた」

より現場に近い場所で働きたいと、今は、ドクターヘリに乗るフライトナースを目指しています。