半世紀以上に渡って、埼玉県の「原爆の図丸木美術館」で展示されていたレリーフが、美術館の改修に伴い、広島に帰ってくることになりました。中心になったのは、このレリーフを制作した、当時の中学生たち。里帰りと修復の取り組みを取材しました。

先週末、廿日市市のとある資材置き場で取り組まれていたのは、350枚の板がつながって、縦2.3m、横5.5mになる巨大なレリーフの修復作業でした。描かれているのは、被爆後の傷ついた人たちの凄惨な様子から…花が咲き子どもが笑う平和な時代まで。

このレリーフは、1972年、廿日市中学校の全校生徒344人が平和学習の一環として共同制作したものです。広島出身で「原爆の図」を作った丸木位里さんに請われて埼玉県の美術館に贈られることになり、1974年には丸木位里さん立会いの元、贈呈式が開催されていました。

以降、レリーフは、原爆の図丸木美術館の正面玄関上部の外壁に展示されてきました。