「働きたいのに…」重度障がいがある人の就労の壁を阻む“ヘルパー利用のしづらさ”。滋賀県大津市に住む脳性麻痺の深田澪音さんも、悩む一人です。

 ヘルパーの利用については、日常生活では国などの助成金が出ますが、仕事などの経済活動においては原則、助成の対象外で、障がい者の就労を阻む高い壁となっています。こうした状況を受け、国は各市町村の判断で仕事でのヘルパー利用に助成金が出る仕組みを作りましたが、当事者を密着取材すると、制度の利用が広がっていない現状が見えてきました。                                                                     

脳性麻痺で体を自由に動かせない 仕事をする上での苦悩

 滋賀県大津市に住む深田澪音さん(22)。脳性麻痺で体を自由に動かせません。母・由季代さん(55)が身支度を手伝います。

 澪音さんは今年4月から滋賀県庁にある県の教育委員会で事務職員として働いていて、主にデータ入力を担当しています。

 (深田澪音さん)「最初は自分から何をしたらいいか分からなくて、作業とか言われ待ちしていたんですけど。最近はできそうなことがあったら、『これもプラスでやっておいていいですか』と聞いたり、4月よりは主体的に動けるようになったかなと思います」

 そんな澪音さんですが、仕事をする上で大きな苦悩を抱えています。