「年収の壁」と「ガソリン」で総額4.7兆円の大幅減税へ
高柳キャスター:
減税幅が特に大きいのが、「“年収の壁”引き上げ」と「ガソリン減税」です。
まず、「“年収の壁”引き上げ」から見ていきます。

2024年度の税制改正で、103万円から160万円に引き上げられました。それに伴い、1.2兆円の減税が可能になります。国民1人あたりに換算すると、2~4万円程度の減税になります。
さらに、国民民主党の案である178万円に引き上げられると、1.2兆円に加えて、さらに約2兆円が減税になり、合計で3兆2000億円まで減税ができるということになります。
さらに「ガソリン減税」も見ていきます。

【11月28日 法案成立】
▼12月31日で廃止
→ガソリン 25.1円/L
▼2026年4月1日で廃止
→軽油 17.1円/L
この2つを合わせると1.5兆円の減税となり、「“年収の壁”引き上げ」の減税と合わせると、約4兆7000億円の減税となります。
かなりの規模ですが、大丈夫なのでしょうか?
TBS報道局経済部 財務省担当 蓮井 記者:
この減税はかなり大規模で、財務省幹部も「財政的には失うものが大きい一方で、政府与党が得るものもある」と話しています。
少数与党の中では、野党の賛成を得るためにある程度妥協するような面もあり、政治が安定していないと、国民が求める減税に偏ってしまう側面もあると言えます。
井上貴博キャスター:
減税すると「財源はどうするんだ」という議論が出てきますが、「その問題は高市内閣だったら突破してくれるんじゃないか」という期待感が国民の中にあると思います。
円安が進んでいるのをどう考えるのか、2025年度の税収は80兆円になって、税収は増えているのに何とかならないのかなど、いろんな議題がある中でどのように受け止めるべきなのでしょうか。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
上振れた税収の一部を国民にお返しするというのが1つあります。
今回、21兆円の補正予算が組まれました。しかし中を見ると、国債の発行額というのは2024年よりも下回っています。たくさん発行しているわけではなく、2024年よりも金額自体は下回っているので、財政の均衡という意味では、最低限のところは守ったという結果になっています。
加えて、「対GDP比が200%を超えて大変だ」というような認識を国民が持っているかと思いますが、実は、税収の上ぶれによって低下してきていて、2024年には180%まで低下しています。今回、大規模な補正予算を組んでも179%まで低下していくので、実はしっかり借金の返済はできています。それは、名目GDPが成長してるからなんです。
このことから考えると、財政に対する考え方も少し変わってきますよね。
出水麻衣キャスター:
金利が変動していった場合、金利額が増えていくという心配はあるのでしょうか。
経済アナリスト 馬渕さん:
そこは注意して見なければならなくて、金利の急騰というのは問題になります。緩やかに上がっていくことはいいのですが、急騰は懸念になります。そこに関しては、日銀がコメントを出しながら「利上げ」をするかの判断を12月に行うという段階になっています。














