舞台とドラマ、書き方の違いに直面して

火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』より

――ゴールデンプライム帯(テレビ業界において夜の看板番組が並ぶ時間帯。以下、GP帯)連続ドラマの脚本の執筆をしてみて、率直にどんな感想を持っていますか?

GP帯という以前に、連続ドラマの全話の脚本を担当させてもらえること自体が初めてだったのでとても楽しかったです。特に、第1話、第2話と話数を重ねるごとにキャラクターが成長していく過程を一緒に体験しているような感覚に面白さを感じました。

――舞台の脚本を書かれることが多いかと思いますが、ドラマの脚本との違いはどんなところでしょうか?

ドラマと舞台の脚本は全く違うと思います。例えば、舞台であったら、その舞台上にあるものをお客さん全員が同じように把握できるわけではないので、なるべくセリフで説明する必要があります。一方でドラマでは、見てほしいと思ったものを映像で見せることができるので、そこが大きく異なる点だなと感じました。

――舞台は一つの作品の決められた上演時間の中で起承転結を描いていくと思いますが、ドラマでは1話での起承転結だけでなく、ドラマ全体の起承転結も考える必要があると思います。そういった難しさも感じられましたか?

ドラマ全体でキャラクターの成長や関係性をどう積み上げていくかという時間の流れの作り方は、舞台とはまた違う難しさがあると感じました。また、ドラマは多くのスタッフと話し合いながら脚本をつくっていくため、協働ならではの視点が加わり、作品が立体的になっていくのが印象的でした。

私が普段つくっている舞台は少人数体制なので、ドラマの現場に行ったとき、驚くほど多くのスタッフさんやキャストの方が関わっていることを目の当たりにし、「こんなにたくさんの人の力でつくられているんだ」と実感しました。

火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』より