脚本家とは、登場人物のセリフや行動、物語の展開を記した脚本を執筆する職業。作品の企画段階から関わり、監督やプロデューサー、原作者と打ち合わせを行い、作品の世界観やテーマに沿ったストーリーを具体的に形作っていく。

「料理を作る」というきっかけを通じて、二人の男女が“当たり前”と思っていたものを見つめ直し成長していくTBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で、初の連続ドラマの脚本を担当するのは安藤奎。

2016年に安藤自ら旗揚げした演劇団体「劇団アンパサンド」で作・演出を手がける。茶の間やオフィスから始まる日常が、少しずつズレていき、いつの間にかとんでもない世界に変わってしまうという作風が特徴だ。現代社会のスケッチの技巧と展開が予想できない独自の物語性が魅力で、「​歩かなくても棒に当たる」(2024年)では第69回岸田國士戯曲賞を受賞した。

安藤がこれまで舞台という場で培ってきた“当たり前”を、ドラマでどのように生かし、崩したのか。エンターテインメントという世界に飛び込んだきっかけとは――。