「貸して儲ける」から「売って儲ける」へ

 マンション投資のトレンド変化も、価格高騰の背景にあるようです。

 かつては、マンションを購入して貸し出し、家賃収入を得る方法が一般的でした。しかし現在は、購入した物件を転売し、売却益を得ようとする傾向が強まっています。つまり「貸して儲ける」から「売って儲ける」へと変わっているのです。

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 「外国人がマンション投資で儲けている」という声も聞かれますが…

 国交省(11月調査)によると、“国外に住所がある人”の新築マンション取得の割合(今年1月~6月)は、東京都3%・大阪府2.6%で、「国外に住所がある人が東京都心で2億円以上の高額物件を活発に購入している」という傾向は特に見られないと発表しています。

 この数字について、山本氏は「国内在住の外国人も一定数いるので実態は不明」としながらも「外国人投資家にとって日本のマンションはまだまだ“安い”」と分析。さらに円安で割安感が高まっているようです。

 また、海外投資家はマンションを「キャッシュで一括購入」することも。その場合は金利上昇の影響を受けないため、投資対象になりやすいのです。

 なお、不動産価格は「取引事例比較法」という方法で決まることが多いそうです。新築マンションが1億円で完売⇒類似の物件が1.2億円で完売⇒類似の物件が1.5億円で…といったように、取引事例が重なって価格が上がっていきます。