長野県石油商業組合をめぐるガソリン販売価格の事前調整=カルテル疑惑について、公正取引委員会は26日、組合北信支部の独占禁止法違反を認定し、行政処分にあたる排除措置命令を出しました。
また、不正な利益を得たとして、一部の事業者に対し、総額1億1658万円の課徴金納付命令を出しました。
公正取引委員会から排除措置命令が出されたのは、長野市など北信地域のガソリンスタンド事業者が加盟する、県石油商業組合の北信支部です。
北信支部では遅くとも2024年12月16日頃から、ガソリン販売価格の値上げや値下げの幅を事前に事業者に伝える、価格調整を行っていました。
値下げによる価格競争を避け、安定的に利益を確保することが目的とされています。

さらに公取委は価格調整により不正な利益を得たとして、北信支部に加盟する事業者71社のうち17社に対し、総額1億1658万円の課徴金納付命令を出しました。
このほか、北信地域でガソリンスタンドを運営するJA系の3つの事業者に対しても、独占禁止法に抵触する疑いがあったとして、行政指導にあたる「警告」を出しました。
3つの事業者は、組合の北信支部に加盟していないものの、支部からの連絡を受け、価格を決めていたということです。
また、公正取引委員会の調査の結果、組合の本部では北信支部の支部長から販売価格の上げ幅、下げ幅を職員が連絡を受け、役員に共有していたということです。
公正取引委員会は、本部がコンプライアンスを指導する立場にありながら、カルテルを止めることなく事実上容認していたと認定し、定期的な研修を実施することなどを実施するよう申し入れを行っています。














