「議員定数削減」は政権基盤強化の試金石?
連立合意では「1割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和7年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」としている。しかし、維新側が比例代表の定数を削減する方針を示したことで自民党の一部からは慎重論が根強くあるほか、野党からは反発の声が上がっている。

「今回の臨時国会の本丸は議員定数削減だ。議員定数削減ができないようであれば、本質的な改革なんてできない」と語る維新の吉村洋文代表。連立後の各党協議で維新側は比例定数を50削減する方向を示したが、自民党内でも一部からは「性急すぎる」「丁寧な議論が必要」との声も出ている。

維新の馬場伸幸顧問も定数削減について「高市政権が短命に終わるか長期になるか、政権基盤が強くなるかどうかの試金石」と主張し、「定数削減は議員に関係することで役所は関係ない。高市総理も自民党内を説得できないと、定数削減すらできないようでは次の改革は期待できない」と牽制する。
維新側の本音はどこにあるのか。選挙制度改革の協議を担当する浦野靖人議員は「次の解散選挙があったとして、そこで定数が削減されている選挙が必ず担保されるような形を作りたい」と発言。支持率82%の高い内閣支持率を背景に早期解散の可能性も取り沙汰される中、維新としては政策実現の担保を取りたいという思惑が透ける。

一方で維新内部にも温度差がある。ある関係者は「世論調査でも定数削減は多くの国民が賛成と支持されているというが、リアルは『反対ではない』が正しい反応。関心があるかと聞かれれば『ない』と答える人が大半だと思う」と指摘する。
維新がかねてより実現を目指しているのが、「副首都構想」と「社会保障改革」。議員定数削減よりも遙かにエネルギーが求められる、吉村代表の言うところの「2本の矢」を実行することができるのか。定数削減の議論の行く末が、自維連立の将来を占う試金石となりそうだ。














