「一票の格差」が最大3.13倍だった今年7月の参院選は憲法違反だとして、宮崎県内の弁護士らが選挙無効を求めた裁判で、福岡高裁宮崎支部は「違憲状態」と判断し、選挙無効の請求は退けました。

今年7月の参院選をめぐっては、議員一人当たりの有権者数が最も少ない福井選挙区と、最も多い神奈川選挙区では、3.13倍の格差が生じていました。

このため、県内の弁護士らは「投票価値の平等に反し、憲法に違反する」などとして、宮崎と鹿児島両選挙区の選挙の無効を求める訴えを起こしていました。

21日の判決で、福岡高裁宮崎支部の小田島靖人裁判長は、「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」と指摘し、違憲状態の判断を示しました。
一方で、選挙の無効を求める訴えは退けました。

参院選をめぐる一票の格差訴訟をめぐっては、21日までに15件の判決が出ていて、「違憲状態」の判決は今回で10件目となります。