島根県の松江ゆかりの文豪、小泉八雲の作品を共に松江市出身の、俳優・佐野史郎さんとミュージシャン・山本恭司さんが、朗読とギターで表現するイベントがこのほど開かれました。今回は、連続ドラマ放送で注目を集める八雲の妻・セツの追想記も盛り込まれています。

『鳥取のふとんの話』

「兄さん、寒かろ・・・ヒュウウウ。お前、寒かろ・・・ヒュウウウ」

朗読とギターが響き合う独特の世界観。この『小泉八雲朗読のしらべ』は、2007年から80回以上、全国各地で開催されて来ました。

『思い出の記』

「日本にこんなに美しい心あります。なんで西洋の真似をしますか、という調子でした。」

今回、新たにセツの追想記『思い出の記』を取り入れ、松江を振り出しに全国各地で公演される予定です。

『幽霊滝の伝説』

「坊やがえらい寒かったでないか?さあさあ早う、この火のそばへ連れて来てあげないや。」

地元出身者の真骨頂といえる方言での朗読に、客席はしんと静まり返りました。

観客「とても迫力、と佐野さんの語りが素晴らしくて。楽しかったです。」「地元民としては(八雲夫妻が注目され)とても嬉しいです。」「本で読むのとはまた違った、心に響く感じがすごく良かったですね。より深く心に刺さる感じがしますね。」

小泉八雲記念館 小泉凡館長「セツっていう人は結構、気丈な人だったのかな、最期までしゃんとしてたのかなっていうことを感じた。」

八雲夫妻のひ孫で小泉八雲記念館の館長、小泉凡さんが身近な親族だからこそ知るセツの人柄を紹介しました。

山本恭司氏「お前、寒かろ、ってやつですよね。あれをね、ギリシャの人にはね、兄さん佐野史郎と(聞こえたそう)。お前、佐野史郎みたいなね。」

佐野史郎氏「何か言われてましたね。」

最後には佐野さんと山本さんのトークショーもあり、一転して客席に笑顔が広がっていました。