今回の大規模火災で多くの人が混乱する中、現場近くの介護施設のスタッフが、住民の避難を支えました。

火災が発生した佐賀関地区は、住民およそ7000人のうち、6割近くが65歳以上の高齢者です。中には車いすを利用して生活している人もいます。

火の手が迫る中、避難に大きな役割を果たしたのが地域の介護施設でした。火災現場から少し離れた場所にある社会福祉法人の宿利友也施設長が当時の状況を話してくれました。

(社会福祉法人「大翔会」宿利友也施設長)「特に足が不自由な方が歩いていくのが困難ではないかと、現地にいたスタッフが車を出した」

施設の車両は住民が身を寄せていた公民館からおよそ1キロ北の避難所までの移動をサポートし、車いすの人を含めて、およそ30人を安全な場所へと導きました。

(福祉車両で避難した人)「6人ぐらい助かった。歩かなくていいからありがたい」「自分ではたくさん歩けないので助かった」

介護施設の迅速な判断と福祉車両の活用が、今回の避難では大きな力になりました。災害時の移動支援をどう確保するかは、今後の地域防災の検討にもつながりそうです。