軍事リスクや私生活に影響が? 台湾問題をめぐる緊張緩和の必要性

井上キャスター:
日本政府に対しても、中国政府はプレッシャーをかけていますが、長い歴史を考えても、隣国と政治的にうまくやるというのはなかなか難しいことです。でも、その高いハードルを越えられるのが民間交流で、その民間交流がいかに大切かということですよね。

実業家・インフルエンサー 岸谷蘭丸:
個人的には、そこは市場原理に任せておけば大丈夫なのではないかと思っています。

例えば、近年でも処理水の問題のときに、「日本の魚を食うな」みたいな流れがありましたが、結果、スシローに行列ができていて、「みんな寿司食ってたじゃん」ということがありました。結局、言っているだけで、ある程度時間が経てば観光客は戻ってくると思いますし、そこまで政府が介入するとも思えないので、これは騒ぎすぎずに「収まるといいね」くらいが正解なのかなと思います。

そして、もう一つ個人的に思うのは、国内で高市総理がやろうとしている政策に対して、こういう外交問題がちょっとしたノイズにもなっているのかなという気がしています。

やはり国内の経済政策を頑張りたい時期なのかなと思うので、外交問題に時間を取られすぎずに経済政策を頑張ってくれるといいなと思っております。

井上キャスター:
今後、日中関係をどういうふうに見ていきますか?

東京大学大学院 阿古智子 教授:
経済は経済として大事ですが、台湾の問題は扱うのが非常に難しいです。

曖昧な形で何とか現状維持を図ってきたというのが日本のこれまでの外交政策だったと思うのですが、それを変更しようとすることにより、色々な軍事的な動きが出てきてしまうのか、それによって私たちの生活に色々な影響が及んでしまうのではないかということもあるので、なるべく緊張は緩和する方向に持っていった方がいいと思います。

中国は一方的に情報統制しているので、外交努力や民間交流がないと、日本に対して間違った情報などがずっと煽られてしまうということになってしまい、危険な状況になるかなというのはありますね。

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<プロフィール>

阿古智子さん
東京大学大学院 教授
専門は現代中国研究
在中国日本大使館専門調査員などを経て現職

岸谷蘭丸さん(24歳)
ボッコーニ大学在学
岸谷五朗と岸谷香の長男
海外大受験塾「MMBH」設立
教育・多様性などを発信