■献金“間違いだった”

 (母親)「本当の宗教をはきちがえていた。献金を一生懸命すれば家庭がよくなるというのは間違いだった。本当は家庭がよくなるために子どもたちに尽くしていくのが本当の道筋だったと思います」

 旧統一教会への献金が間違いだったと法廷で述べた母親。衝立に囲まれ表情はうかがえないものの、山上徹也被告は険しい表情で母親と視線も合わせませんでした。

 山上被告は2022年7月、奈良市で応援演説に訪れていた安倍晋三元総理(当時67)を手製のパイプ銃で撃ち、殺害した罪などに問われています。

 山上被告は初公判で「すべて事実です」と起訴内容を認め、弁護側は不遇な生い立ちは「児童虐待」にあたり、事件の動機に大きく影響しているとして情状酌量を求めています。

 事件の動機とされているのが「旧統一教会への恨み」です。

 山上被告は安倍元総理が教団の関連団体にビデオメッセージを寄せていたことから銃撃を決意したということです。

 母親はこれまでの裁判で、夫の自殺や病気を抱えた長男が失明するなどして心を痛めていた時に勧誘され、1億円ほど献金したと述べていました。