「笑っていいのかなっていう雰囲気」苦労するのは“笑い”の場面

戦後、全国の子どもたちがゾウを見られるよう、名古屋に子どもたちを運ぶ「ゾウ列車」を国鉄が運行しました。戦後の復興の象徴ともいえるこの出来事はのちに歌になりました。
♪ぞうれっしゃよはしれ (作詞:小出隆司・清水則雄 作曲:藤村記一郎)
「象列車よ急げ やみを裂いて走れ
象列車よ急げ 空を駆けて走れ」
この歌が落語「どうぶつえん1945」をつくるきっかけだったといいます。
(三代目・桂花團治さん)
「戦争の真実を伝えていくんだけれども、そこに最後は希望を。曲を聞いたときにエンディング出来上がったと思ったんですね。希望の部分にこれ(歌)がちょうどはまるなと思いました。」
「どうぶつえん1945」の制作は約1年がかり。戦争の悲惨な歴史を、落語を通じてどう語るのか。模索しながらの制作だったといいます。
(三代目・桂花團治さん)
「伝戦落語の中で笑っていいのかなっていう雰囲気もあるわけです。だからそこはね、すごく自然な感じで、ふって笑わせるっていうのかな。そこ一番苦労してるかもわかんない。」
ではなぜ、戦争について「笑い」がある落語で伝えるのでしょうか。
(三代目・桂花團治さん)
「戦争の落語ですから、ぐっと張り詰めた場面って多々あるんですね。緊張する場面ってね。だから余計に笑いの場面って要ると思ってるんです」














