俺は動物を育てるために飼育員になったんや―――

 太平洋戦争中、動物園で猛獣が殺処分されたことなどが生々しく語られる創作落語「どうぶつえん1945」の一幕です。

 演じるのは三代目・桂花團治さん。空襲で亡くなった先代の無念を伝えようと、今日も高座に上がります。伝えたいのは、戦争の悲惨さ。しかし、それだけではない「あること」を表現したいと言います。

 落語を通じて戦争を伝える、大阪の落語家の思いとは?

知っていますか?落語で戦争体験を伝える「伝戦落語」

 大阪の落語家、三代目・桂花團治さん(63)。10月25日、大阪市の小学校で子どもたちや地域の人を前に披露したのは、落語で戦争体験を伝える「伝戦落語」です。
 
 <創作落語「どうぶつえん1945」>
 「へーあれゾウのハナか!汚い花やなあ。一輪挿しにはよう挿さん」
 「何言うてんねん。その花と違うがな」
 
 なぜ落語で戦争を伝えるのか。それは、先代(二代目)・花團治さんへの思いからでした。

 (三代目・桂花團治さん)
 「大阪大空襲。第4次ですけどね。(先代は)防空壕のそばで亡くなっていた。無念やったやろうなって」