香川県を巡る新たな“遍路マップ”です。香川県まんのう町の男性らが作ったのは、四国霊場ではなく個性的な書店などをめぐる「香川BOOK遍路マップ」。本を心の拠り所にという試みです。

地図に載っているのは街中の小さな書店など、本を手にするために必要なちょっと個性的な情報です。

「香川BOOK遍路マップ」はまんのう町の篠原さんの呼びかけで完成しました。

(香川BOOK遍路マップを作った篠原章人さん)
「本屋さんを盛り上げたいとか、そういう思いというよりはどちらかというと、なくてはならない地域になくてはならい存在だし、その存在に寄り添いたいというか」

街中の小さな書店にはネット通販などにない、店主らとの触れ合いもあり、新たな本との出会いも生まれます。

「BOOK遍路マップ」はそんな書店に寄り添いたいと常連客らが高松市を中心に回り1年余りをかけてまとめました。

(本屋・ルヌガンガ店主 中村勇亮さん)
「どうしてもやっぱり目立つ所にあるわけではないですし、皆さんも存在自体を知らないと思うので、こういうところもあるんだと知っていただくきっかけになるかなと」

全国から問い合わせが相次ぎ県外の書店でも配布しています。代金の代わりに手にした人の気持ちで「お布施」をもらい、書店の運営費に充ててもらいます。

(BOOK遍路マップをもらいにきた女性)
「自分の目指す所に行ってみようかなと思ってます。なかなかこういうのには巡り合わないのでいいなと」

地図に記されているのは小規模でも個性的な書店や、個人が作った図書館など自分だけの一冊を探す場所。他にもちょっと変わった情報が紹介されています。

(古川豪太記者)
「ここがBOOK遍路マップに載っているサンポート高松です。本を読むのにおすすめの場所として紹介してあります」

一冊の本との出会いが人生を変えることもあります。篠原さんは「BOOK遍路マップ」を手に書店を回ることで、本だけではない何かを見つけられるのではと考えています。

(香川BOOK遍路マップを作った篠原章人さん)
「別に通ったりしなくていいし、盛り上がらなくていいんですけど、もし何か自分の人生において絶望したり生きづらさを感じているというそういう瞬間に『そういえば本屋があった』と思い出してほしい」

四国霊場ではなく書店を回るために生まれたユニークな“遍路マップ”です。本を心の拠り所にという願いが込められています。