中国「これまでと違う!」存立危機事態めぐる高市総理の発言に反発

 何に対して中国側は怒っているのか?

 「台湾は自国の領土」と主張する中国にとって、台湾問題=内政問題という立場です。一方、現在の台湾の与党である民進党やその支持者らは「台湾人としてのアイデンティティー」を持っています。

 こうした、台湾・中国の関係に対して、日本は、中国の立場を「認める」とは言わないが「理解し尊重」する=「あいまい戦略」をとってきました。何か問題が起きたときに、立場を明言しないという態度です。

 安倍元総理が「台湾有事は日本有事」と発言したのは総理退任後の2021年であり、総理という立場では、台中関係は“グレー”とするのが基本方針でした。

 ところが、従来とは毛色の違った発言をしたのが高市総理です。11月7日、“台湾有事“をめぐって野党側から「どういう場合が存立危機事態か?」と質問された際、高市総理は「戦艦を使って武力の行使を伴えば、存立危機事態になりうる」と答弁しました。

 つまり、「何か問題が起これば台湾の味方をする」と総理の立場で発言し、これに対して中国は「これまでと違う」と反発したというわけです。

 ※存立危機事態=密接な関係にある他国が攻撃され日本の存立が脅かされる事態。集団的自衛権を行使できる。