戦前から存在 “多くは趣味”の民間組織「猟友会」の役割

 では、狩猟免許を所持する人が所属する組織として最近よくその名を聞くようになった「猟友会」とはどのような組織なのでしょうか。

 猟友会は戦前の1939年に社団法人になった民間の狩猟団体で、狩猟免許をもつ約10万人が会員となっています。全国組織の大日本猟友会の下に、都道府県ごと、さらに支部などがあり、個人個人が入っているという組織です。

 猟友会には、▽狩猟免許取得の事前講習会、▽初心者研修会、▽共済保険事業、▽政党や省庁へ各種要請、▽鳥獣保護増殖(狩猟鳥の養殖や放鳥事業)などさまざまな役割があります。

 自治体などは、駆除するときにいきなり個人に依頼するのではなく、猟友会に委託し、許可捕獲をするという流れになります。

 伊吾田准教授は「いま、猟師の多くは専業ではなく趣味」と指摘します。公共の仕事である駆除を、民間組織、それも趣味で行っている人たちにお願いをしている状況だと言えます。