■そして出産「安心して出産を迎えられた」その訳は
幸いにも、鈴木さん自身はコロナに感染することはなかった。今年8月の長女の出産までは、気の抜けない日々を送ったという。
「コロナにかかった状態で出産することになると、家族との面会も、立ち会いもできなくなるだけでなく、帝王切開になると言われていました。手術がどういう状況なのか、無事を確認できるのか。主人は『とても心配だった』と話していました。『病院からの電話をただ待っているだけになるのが、とても怖い』と…」
そこで、出産する病院の医療スタッフと打ち合わせを重ね、万が一、自身がコロナに感染した時の対応を事前に決めていたという。
「病院からは『産まれてすぐに面会ができない』『顔合わせができない心配があるけど、工夫をしますし、母乳もあげられるようにします』と、前もってお話をしてくれていたので、安心していました。病院側も『何かあれば、家族も含めて考える状況を作ります』と、しっかり対応をしてくれたので、出産前から安心していました」
鈴木さんは、コロナに感染することなく今年8月に無事出産。その後、およそ1週間の入院期間中は、タブレットで家族と面会したり、生まれたての長女の写真を家族に送ったりして過ごしたという。
「新しい家族に会うことを楽しみにしていましたね。次男は会えないので『ママ、ママ』と泣いていましたけど」
■成長感じた長男「立派だな」
妊娠期間中、5歳の長男の成長を感じることがあったという。
「長男とは普段から一緒にニュースを見ていました。コロナとはこういうものでとか、毎日ニュースで流れていたので、コロナの怖さがよく分かっていたんです。コロナにかかってしまったときにも『自分がちゃんと手を洗えていなかったからかな』とか、『うがいがちゃんとできていなかったからかな』とか、責任を感じていたようで。とても立派だなと思いました」
鈴木さんは妊娠期間を振り返り、こう締めくくった。
「家族だけでなく、出産した病院のスタッフたちの支えがあったから、世の中がコロナで大変な時期に無事に出産できた。心から、支えてくれた人たちに感謝したい」
「TBSテレビ 報道の日2022」
ディレクター・神保圭作