■「お医者さんごっこ」で不安な隔離生活を乗り越えた
隔離生活はおよそ一週間。この間、極力、家族に明るく接することを心掛けたという。
「できるだけ、悲しい気持ちにならないように生活を送れるか考えました。上の子は、自分でご飯を食べてトイレに行けるけど、次男は2歳なので、まだまだ手がかかりましたから。次男は熱があったし、のどを痛がっていました。『ママ、ママ』とくっつぎたがるので、甘えさせることも、この時はできませんでした」
一人で身の回りができるようになっていた長男と比べ、まだ甘えたがりで手のかかる次男。感染を防ぐため、次男にご飯を食べさせる時は、二重のマスクと手袋で接した。ベランダの窓を開けて頻繁に換気したり、子どもたちに接したらすぐに着替えをしたり、すぐに手洗いとうがいをするようにした。
「次男は、いつもより泣いている時間が多かったです。自分のことも、お腹の赤ちゃんのことも心配だったので、そういう経験をさせたのは辛かったですね…」
感染を防ぐために必要な対策とはいえ、「辛い思いをさせてはいないか」と不安だったという鈴木さん。子どもたちの気持ちが少しでも紛れるよう、”ある工夫”をしたという。
「悲しませないように、お医者さんごっこをしているんだという風に伝えて。『ママ、お医者さんだよ』『ちょっとお腹診ようね』って。少しでも楽しいと思ってくれるよう、常に笑顔で接するようにしていました。悲しい方向にいくと、みんなが辛いので」
ほかにも、インターネットで子供用のテントを購入。夜寝るときに、ベッドではなく、テントで寝るなど、普段と違った過ごし方をすることで、隔離生活を少しでも明るく過ごせるようにしたという。