5日、桜島の観測坑道で熟成された鹿児島の名産品が、1年ぶりに関係者と対面しました。

取材班が向かったのは桜島です。普段は立ち入り禁止の道を進み到着したのは、国が管轄する観測施設です。

その建物の中には酒造会社のハッピを着た人たちの姿がありました。関係者が入っていったトンネルの先には…。

(記者)「トンネルの中には、焼酎の瓶が並べられています」

ケースに入れられた無数の焼酎。焼酎の熟成を目的に去年、県や酒造会社13社などが連携し、桜島の観測坑道の中に貯蔵されていたものです。

一年を通して19度前後に保たれた坑道の中で熟成が進むかどうかや、噴火活動の振動が味に変化を与えるかどうかを調べる実証実験です。

去年、焼酎を搬入した本坊酒造の本坊昌嗣さんです。一年越しの焼酎との再会に、思わず笑みがこぼれます。焼酎に何か変化はあったのでしょうか?

(本坊酒造・本坊昌嗣 副社長)「胴張り(ラベル)はほとんど変わらない。どういった形で味がでるのか期待しています」

一番気になるのは、焼酎の味の変化です。5日は味見はできなかったものの、専門家は期待感でいっぱいです。

(鹿児島大学・高峯和則 教授)「温度が一定というのは貯蔵に向いている。うまみ成分を閉じ込めて変化させてないという面で、優れている貯蔵施設になるのではと思う」

桜島の観測坑道で熟成された13社の焼酎は、来年1月に桜島で開かれるさくら市で楽しめるということです。