加算の仕組みを「ある手法」で悪用?

 なぜ、これほど高額の給付金を得ているのか。そこには「ある仕組み」が関係しています。その仕組みが「就労移行支援体制加算」です。これは、利用者がA型事業所でスキルアップして企業に就職することができた場合、その人数に応じ就労支援を評価するという意味で、事業所が翌年度にもらえる給付金がアップする仕組みのことです。

 去年まで「絆ホールディングス」グループで働いていた元職員は、加算の仕組みが「ある手法」で悪用されていたと話します。

 (「絆ホールディングス」グループ 元職員)「『36か月プロジェクト』という名前で、6か月ごとに一般雇用と利用者雇用を切り替えていく形ですね」
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 グループ内で使用されていたパンフレットには「36か月プロジェクト」と書かれ、その下には赤字で「A型就労期間」と「一般就労期間」を繰り返していくことを示す図が描かれています。

 元職員によると、事業所に通う最初の1か月から数か月は「A型利用」とし、次の半年は同じ事業所で同じ仕事をしているのに契約だけ「一般就労」に切り替えることで給付金の加算条件を達成したことにします。さらに、また「A型利用」に戻して「一般就労」に切り替える…これを繰り返すことで加算を積み増していたといいます。

 (「絆ホールディングス」グループ 元職員)「利用者が就職したいから一般就職するわけではなく、期間がたてば自動的に一般就職っていう形に、雇用が切り替えられて、また期間がたてば利用者に切り替わる。ただ環境も一切変わらず、仕事内容も変わらずのままが基本」