「AI映画」はどう作られるのか ボタン一つで表現できる時代に

そもそも「AI映画」は、どう作られているのか。「ドラマ部門」で入賞した新野卓さんに教えてもらいました。
作品は日常のふとした行動が、知らず知らずのうちに誰かの小さな出来事につながっていく。「The world turns, Because you do(君がいるから世界は回る)」
新野さんがまず、とりかかったのは…
ドラマ部門入賞 新野卓さん(37)
「まずは画像の生成から。これは動画のリファレンス(参考)元になる画像」
(1)画像を生成
作りたいシーンの静止画像をつくります。
新野さん
「プロンプト(指示)の内容は、『明るく温かみのある家のキッチンで、自然光が差し込む中でスマートフォンで話している女性。超リアルな描写。ストレートヘアをテーマにした映画のワンシーン』」

するとAIが30秒ほどで4パターンの画像を生成しました。しかし…
新野さん
「ちょっとおしゃれすぎますね」
イメージ通りの画像になるまで、細かい指示を加えて何度もトライ。
イメージの画像ができたら、次は動きをつける工程です。
(2)画像から動画へ
「電話する男性」から「電話を受ける女性」へと、場面が移り変わるシーンをつくります。
新野さん
「カメラがダイナミックに上昇していくと、女性が笑顔で電話している場所にトランジション(遷移していく)」

難しい指示に聞こえますが、AIにかかればこの通り。
新野さん
「生成AIだと面白いカットがボタン1つでつくれてしまう」
こうして1つ1つのシーンを画像から動画に変換し、最後に編集でつなぎ合わせていけば、映像の完成です。ちなみに効果音も音楽も、生成AIでつくりました。
普段は音楽スタジオで、音響の仕事をしている新野さん。

新野さん
「(作品を)作りたいというのは常にずっとあって。ここまで(生成AI)技術が進んだんだったら、自分がやりたいと思っていたようなこと、作り始められるんじゃないかなと」
こうした新たな才能の発掘も「AI映画祭」ならではの目的です。

AI日本国際映画祭 発起人 栗本一紀理事
「自分の語りたい、表現したいことがあって、AIと出会ったことによって一気に開花させて、誰にでも映画を作れる時代が来た」














