秋の褒章と叙勲の受章者が発表され、長野県在住では、褒章は7人、叙勲は54人が受章します。このうち、信州の伝統工芸や酒造りなど伝統を受け継ぐ思いとその技を取材しました。

絹織物に手書きで繊細な模様を染め込む「友禅」。
長野市の友禅師・林部貢一さん。黄綬褒章を受章します。

林部さんが友禅染に使う色は、自ら山に入り、草木から採り出したものです。

友禅師・林部貢一さん:「自然の中で育っている生き物なので例えば場所によっても違ってくるし、色素の量も違いますし。それも草木の面白さといいましょうかね」
林部さんは、京都友禅染の職人だった父・寿雄さんのもとで技術を磨き、およそ60年にわたって手描友禅の仕事に携わってきました。
林部さんの代表作「竹林」。

友禅師・林部貢一さん:「同色系に近いんですけど、これも自然の色でこれは梅の枝で染めていったんですけども、下の裾にあるのは桜なんです」
草木が持つ色の可能性を引き出し、友禅の伝統技法で作品に仕上げる林部さん。
去年、地元で育てたソルガムから鮮やかな赤色を引き出すなど、82歳を過ぎてもなおその探究心に終わりはありません。

友禅師・林部貢一さん:「好奇心が強くて小さいころから、なんでもやってみたいというようなところがありましてね。これは性格なんで、年しても関係なくついそういうものに対して色出してみたいとかね研究してみたり、まだまだやっていきたい」
【SBCニュースワイド11月3日放送】














