■除染土の安全性は担保されている?
井上貴博キャスター:
放射線量がいかに問題ない水準かということを、数字データで客観的に示すのは大前提ですが、その上で、東京電力管内で言えば、福島に原発を押し付けて、他の地域が利益だけ享受してきたことも、やっぱりアンバランスです。この除染土に関しては、せめて福島以外の東京電力管内の地域で受け入れるというのは当然なのではないかと思います。
ハロルド・ジョージ・メイさん(パナソニック社外取締役など):
間違いなく除染土の処理問題というのは大きな問題で、法律でも、福島県以外で除染土を再利用しようというのは法律で決まっています。負担をみんなで分かち合うということです。
私は、実証試験で、放射線量が一定の基準値を下回っているので、安全なのだと言えば、もう全く問題がないと思いますが、ポイントは名前が良くないことです。実証試験であり、西村環境大臣も「安全性を見るのだ」と述べているが、試験で何をやるのか?安全だと思っていたのに、そうではないのか?というような気持ちにもなってしまう。
除染土の安全が担保できたので再利用するということならば、何ら問題はないと思いますが、私は、名前がとにかく良くないと非常に感じております。せっかく福島県の風評被害も、いろんなデータを取って、安全が担保されている中で、海外でも福島産のものが安全だから、いろんな輸入制限もない、輸入制限が撤廃されている中で、除染土の実証実験をこういう言い方でやると、また心配が盛り返すのではないかという懸念があります。
井上キャスター:
諸外国に比べて、放射線量について見ると、日本は格段に厳しい基準値を設定しているので全く問題がない。けれど、政府としては、石橋をたたいて渡りすぎているので、逆の心配を煽ってしまう恐れがあります。
ハロルド・ジョージ・メイさん(パナソニック社外取締役など):
自信を持ってもう安全だから、非常に人口の多い、東京の中心で除染土を使っても大丈夫なのだというのであれば、理解できます。名前に「試験」や「安全性」を見るとか、どうなのかと思います。
井上キャスター:
政治家や我々、テレビでも安全だというメッセージを発している。そこまで安全ならば、除染土を永田町の敷地内や、例えば民間企業の敷地内に入れてみてはどうでしょうか。
ハロルド・ジョージ・メイさん(パナソニック社外取締役など):
データを立証した上で、除染土がもう自信を持って安全なのだと、だからこういうふうに再利用するというので良いのではないでしょうか。














