福島第一原発事故のあとの除染の際に出た除染土について、再利用できるかどうか、東京都の「新宿御苑」で実証試験が行われることがわかりました。除染土はどのようにして再利用するのか?利用者への影響などについて解説していきます。

■福島原発事故の「除染土」 どうなってる?

ホラン千秋キャスター:
除染土についてお伝えします。環境省が発表した、「新宿御苑」で除染土を使用した実証試験を行うということなのですが、この除染土というものが一体何なのか。

2011年、東日本大震災の際に、福島第一原発事故により、除染作業が必要になりました。

その除染作業の際に出た土や泥のことを指すわけなのですが、この除染土が今どのような状況なのかというと、量としては25mプール約2万8000杯分あるということです。そしてこの除染土は、福島県大熊町や双葉町の中間貯蔵施設で保管されている状況で、2045年までに福島県外で最終処分を完了することが決まっています。
現在、発生している除染土の全てをそのまま処分するのではなく、再利用するなどして、できるだけ除染土を減らすことで、最終処分量を減らしていく方向で、様々な活用法というものが考えられているのですが、国としては放射性物質の濃度が一定の基準値以下の場合、除染土を再利用する方針です。

■除染土 どのように再利用?

ホランキャスター:
除染土をどのように再利用することができるのか、その再利用実証事業が既にいくつかはじまっています。
福島県内の例では、作物の栽培実験が行われています。作物を栽培する畑の下の部分に、盛り土のような役割を果たすために除染土を使った再生資材を使って、作物を栽培してみようというものです。
水田の土壌の下の方にも、盛り土の感覚で除染土を使って、実際に水田の水張り状況、水はけ具合などに何か影響があるのかを様々確認しています。

他にも実証試験が行われる予定のものでは、埼玉県所沢市の環境調査研修所、茨城県つくば市の国立環境研究所、東京の新宿御苑があります。
新宿御苑での実証試験では、一般人が立ち入れない場所に、除染土を使った花壇を作り、周辺の放射線量などに影響があるのかを調べる予定です。
西村明宏環境大臣は「皆様が自由に歩き回れる場所ではやらない。隠すという意味ではなく安全性を見るため」と述べています。