現場にいた人たちの証言「銃声とは気付かなかった」

 当時、この場所にいた女性が動画を撮影していた。動画には、安倍元総理が現場に到着し、警護員に先導されながら聴衆に手を降る様子などが映っている。

 (当時現場で動画を撮影した女性)
 「すごい違和感でしたね。こんなところでされるのかなと思って。ここも車通りましたし、ここ渡る人もいましたし。厳重に守られているという感じはしなかったです」

 後方から接近して銃撃した山上徹也容疑者。その手に握られていたのは容疑者が作ったという銃だった。事件があったその日に警察は山上容疑者の自宅を家宅捜索。ワンルームの部屋からは少なくとも5丁の銃と火薬などが押収されている。捜査員らはその異様な光景から『武器庫』と呼んだ。

 当時、安倍元総理の真後ろにいた自民党奈良市支部の青年局長・櫻井大輔さんは、あの瞬間について取材にこう話している。

 (安倍元総理の後ろにいた櫻井大輔さん)
 「破裂したような音が鳴って、前がピカッと光って煙が出たような状態だったので、最初何かが破裂したのかなと思って。何か破裂したなら飛んで来たら危ないと思って僕はかがんだんですけど。(Qそれが銃だとは気付かなかった?)思わなかったですね」

 当時、聴衆の中で演説を聞き、事件直後には救命措置を呼びかけた奈良県天理市の並河健市長も「銃声とは気付かなかった」と話す。

 (奈良県天理市 並河健市長)
 「立て続けにまた爆発音がありましたので、これは異変だということで駆け寄っていきましたら、安倍元総理が倒れていらっしゃった。そして容疑者が取り押さえられていて、そこに手製の散弾銃が転がっているのを見ましたので、それで安倍元総理が銃撃されたのだとわかりました」