「一票の格差」が最大で3倍あまりだった7月の参院選は憲法違反だとして、弁護士らが選挙の無効を求めた裁判で、名古屋高裁は「合憲」とする判決を言い渡しました。

ことし7月に行われた参院選では、議員1人あたりの有権者数が最少だった福井選挙区と、最大だった神奈川選挙区との格差が3.13倍で、3年前の前回選挙の3.03倍から、やや拡大しました。

これは投票価値の平等を求める憲法に違反しているとして、2つの弁護士グループが全国の高裁や支部に選挙の無効を求める裁判を起こしています。

このうち名古屋高裁の片田信宏裁判長はきょう、「違憲の問題を生じる程度の著しい不平等状態にあったとは言えない」として選挙無効の訴えを退け、「合憲」の判決を言い渡しました。

一連の裁判では、大阪高裁や東京高裁が「合憲」とする一方、名古屋高裁金沢支部は「違憲状態」と判断が分かれています。