「負けちゃった…」壮絶な療法

しかし、がんとの闘いは想像を絶するものだった。ワッキーさんが受けたのは、放射線治療と抗がん剤を併用した放射線化学療法。

ワッキーさん:
「2回目の抗がん剤を打った後なんですけど、僕はね相性が悪かったんですよ。結果すごい気持ち悪くなっちゃってもちろんゲロゲロとなって…」

「そうなってしまうと、俺の使命感、病棟を明るくするんだっていう活動行動もちょっとねできなくなったんですね…それに負けちゃって…」

大学生カイシュウさんとの出会い

そんな時に病棟で出会ったのが、男子大学生のカイシュウさんだった。ワッキーさんと同じくサッカーに打ち込んできた青年だった。

ワッキーさん:
「カイシュウは足の付け根か何かにできた腫瘍の治療をしていました。まともに歩けないので松葉杖をついて毎日廊下をこうやって歩いてリハビリしてて…」

「『ワッキーさん、僕絶対ピッチに戻りますからね!』って…。」

「そのカイシュウの頑張ってる姿を見て、いやいやいや俺はこんなんでめげちゃダメだぞと。20歳のカイシュウは彼女と遊びたいところを我慢して会えなくて、こうやってリハビリ頑張っている、よし俺も頑張らなきゃってカイシュウに勇気をもらった形になって」

3回目の抗がん剤治療で、2回目よりもさらに長くつらい苦しみに襲われたというワッキーさん。それでも病棟でがんと闘っている患者やお笑い芸人仲間、サッカーで知り合ったプロの選手たち、そして病院の先生など、たくさんの人たちの支えや励ましを力に、壮絶な治療を乗り越え、無事に退院することになった。

しかし、がんとの闘いは終わらなかった。