27日、東京株式市場で日経平均株価は史上初めて5万円を超え、午後に入ってもAIや半導体関連株を中心に買い注文が相次ぎ全面高の展開となり、先週末より1212円高い5万512円で、終値でも5万の大台に乗せて取引を終えました。

 28日は、すこし下げて取引がはじまりましたが、それでも5万300円台を保っています。

 株高の背景にはアメリカと中国の貿易をめぐる緊張が和らいだことや、就任から1週間経つ高市総理の政策への期待が引き続き追い風となっているとみられます。


■「関西の地域経済は活性化する」

 初の大台突破は、関西経済にどんな影響をもたらすのでしょうか?岩井コスモ証券投資調査部の有沢正一シニアアナリストに話を聞きました。

 有沢さんは、具体的な数値を予測することはできないとしたうえで、「企業の投資意欲は高まり、関西の地域経済は活性化する」と分析しています。

その要因として、近年稀に見る「関西の盛り上がり」があると見ています。


■政治にスポーツ、ノーベル賞

 政治に目を向けると、閣外協力の形で大阪を拠点とする日本維新の会が自民党と連立政権を樹立しました。

 さらに維新の主張する「副首都構想」は、来年の通常国会での法案成立が連立政権の合意書に盛り込まれ、一気に実現性が高まっています。

 高市氏・吉村氏という奈良、大阪出身のトップが連立政権を組み”西寄りの政策”が進むのではないかということです。

 ほかにも追い風が。閉幕した大阪・関西万博は当初の予想を上回る最大280億円の黒字見通しとなるなど、有沢さんは経済面においては成功だったとみています。さらに、地元の超人気球団・阪神タイガースがぶっちぎりでリーグ優勝、もし日本一も達成すれば、百貨店などでは大々的にセールが組まれることになります。

 さらに今年のノーベル賞は京都大学と大阪大学の2氏が生理学・医学賞と化学賞で、関西勢がダブル受賞するなど、これ以上ないほど、関西に盛り上がりの要素が集まっているのです。

■暮らし直結企業 若者層にも影響


 有沢さんによると、特に、飲食や小売りなど私達の暮らしに直結する企業に期待が持てるということです。

 また、株というとかつては富裕層や年配層の一部が行う印象がありましたが、今は新NISAの登場で、若者の投資が確実に拡大。株高の影響を受けるのは年配層だけではなくなってきているのです。

 引き続き物価高の状況に変わりはなさそうですが、有沢さんは「特別なコトにはお金を使うことをいとわない」人が増えているといい、史上初の株価5万円台に突入して消費の刺激に繋がることに期待すると話しました。