「被害は軽微」だったのか…当時の記事を見て体験者は「何を言うてはるんかな」

西陣空襲の記事も、再編成することになりました。記事を担当する京都新聞の宇都記者は、こう語ります。
京都新聞 宇都記者
「亡くなっている人の数が書いていないというのは驚きです」
「報道機関として新聞が大きな役割を果たしていた中で、地元紙が伝えなかったために、被害が正しく伝わっていなかった。その責任があるんじゃないかと」
この日、宇都記者は水口さんの元を訪ねました。現代語訳した当時の「西陣空襲」の記事を見てもらい、改めて証言を取材するためです。
当時の記事を現代版にした見出しは、「京都3度目爆撃」。「被害は軽微、高まる住民士気」というもの。記事を見た水口さんは、当時の凄惨な光景と、記事の描かれ方とのギャップに疑問を感じずにはいられませんでした。
「何を言うてはるんかなと。納得いかん面もあるわね。人間が50人近く亡くなってそれで軽微なんかと。今やったら、事故なんかで、ばーっと(報道が)でるわいな」
一方で、「それが戦時下だった」とも振り返ります。
「当時は、そういう報道をしなければいかんかったんだろうなと」
こうした聞き取りから、現代版の記事も作成していきます。














